福祉車両の利用者にとって、定期的な車検は安全で快適な運転を維持するために欠かせないものです。しかし、「普通の整備工場でも対応できるの?」「専門店に頼むべき理由は?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。実は、福祉車両ならではの特徴に対応するために、専門的な知識と技術が求められる場面が少なくありません。
この記事では、福祉車両の車検を専門店に依頼することの重要性とそのメリットについて詳しく解説します。大切な愛車を安心して預けるための情報を、ぜひチェックしてください!
✓ポイント
【結論】一般の自動車整備工場でも車検はできる
福祉車両においても、一般的な自動車整備工場でも車検はできます。しかしながら、車いすリフトや車いすスロープなどの福祉装置に不具合があったとしても、車検は通ってしまいますので、安心して福祉車両に乗りたい方にとっては心配になってしまうかもしれません。実際一般的な整備工場では、福祉装置の構造や仕組みを理解している整備士がほとんどいないので、点検も修理もできないことが大半です。
一方、福祉車両専門店での車検は、福祉装置の点検も車検時に依頼することができるので、安心して福祉車両に乗りたい方は、福祉車両専門店での車検をおすすめします。
車検制度について
日本の車検制度は、車両の安全性と環境基準を確保するために設けられた重要な手続きです。法的には「道路運送車両法」に基づいています。車検は新車登録から3年目、その後は2年ごとに行われます。
車検制度の歴史
車検制度の歴史は1930年にまで遡ります。当初はタクシーやバスなど、人を乗せる目的で使用する車に対して安全性を確保するために制度化されました。その後、1951年に一般的な乗用車にも義務化され、商業利用の有無に関係なく車検が必須となりました。1973年には軽自動車にも適用され、現在ではすべての車両が例外なく車検を受ける必要があります。
車検の必要性
車検が必要な理由は、車両の安全性や環境への影響を検査するためです。車は安全に走るために保安基準が定められており、車検はその基準に適合しているかを確認するための検査です。定期的な詳細な検査を行うことで、故障によるトラブルを未然に防ぎ、安全性を保つことが目的です。
車検の費用
車検にかかる費用は、自賠責保険料、自動車重量税、車検基本料、整備費用などが含まれます。業者に依頼した場合、普通車であれば10万円程度かかりますが、法定費用だけで済ませる場合でも5万円前後は必要です。
なお、上記保安基準には福祉装置の項目は一切ないので、一般的な整備工場においては、福祉装置の部分を点検、整備することはありません。
福祉車両の構造
福祉車両とは、ベース車に福祉装置を取り付けたもので、身体の不自由な方や高齢者が移動しやすくなるよう設計されています。ここでは、リフトアップシート、車いすスロープ、車いすリフトの構造について詳しく解説します。
リフトアップシート

福祉車両の機能「リフトアップシート」
リフトアップシートは、車のシートが電動で回転し、車外へスライドダウンする機能を持っています。これにより、乗り降りの際に足腰への負担を軽減します。リフトアップシートには以下のような特徴があります:
- 電動回転機能:シートが電動で回転し、乗り降りがスムーズに行えます。
- スライドダウン機能:シートが車外へスライドダウンし、乗り降りの際の高さを調整できます。
- チルト機能:シートが前傾することで、立ち上がりや着座をサポートします。
リフトアップシートは、助手席やセカンドシートに設置されることが多く、介助者の負担を軽減するための重要な装置です。
車いすスロープ

福祉車両の機能「車椅子スロープ」
車いすスロープは、車いす利用者が車内に乗り込むための傾斜板です。車種によってスロープの種類があり、1枚板タイプ、複数枚スライドタイプ、複数枚折り畳みタイプがあります。
車いすリフト

福祉車両の機能「車いすリフト」
車いすリフトは、車いす利用者が車内に乗り込むための昇降装置です。リフトには以下のような種類と特徴があります
- スライドタイプ:車いすがプラットフォームに乗ったまま車内にスライドして乗り降りします。リフト操作だけで乗降車ができ、プラットフォームがそのまま車両後部の床になるため、利便性と安全性が高いです。
- 格納タイプ:プラットフォームが車両の乗降部で停止し、車いす利用者が自ら移動するか、介助者が車いすを移動させます。プラットフォームを車内にスライドさせないため、レイアウトの自由度が高く、標準車に後付けする際に適しています。
車いすリフトは、車いす利用者が安全かつ快適に乗り降りできるよう設計されており、特に施設の送迎などで利用されることが多いです。
専門店なら「車検+福祉装置点検」ができる
一般的な自動車整備工場では、車検はベース車の部分の点検・検査のみ行われます。福祉装置に関しては検査も点検も行われないため、不具合があっても車検は通ります。
一方、福祉車両専門店では、車検と同時に福祉装置の点検整備も行います。例えば、リフトやスロープ、リフトアップシートなどの福祉装置が正常に動作するかどうかを確認し、必要に応じて修理や調整を行います。
これにより、福祉装置の不具合を未然に防ぐことができ、利用者の安全性と快適性を確保します。
福祉装置の点検で、未然のトラブルを防ぐ
福祉装置の不具合は、ちょっとした問題でも大きなトラブルに発展することがあります。介護施設の送迎中に起こってしまえば、送迎ができなくなるだけではなく、利用者さんやそのご家族にも大変迷惑をかけ、また交通の妨げ、2次事故につながる可能性があります。
例1)ハイエースのリフトのスライドローラーが割れる
→リフトが止まることがあります。
例2)
このような不具合は、専門店での定期的な点検整備により未然に防ぐことができます。定期的なメンテナンスは、福祉車両の長寿命化と安全運行に欠かせません。
全国に福祉車両メンテナンス工場がある
当店では、全国各地の福祉車両のメンテナンスができる整備工場をご紹介しています。近くの方だけでなく、遠方の方も安心してご利用いただけるよう、お近くのメンテナンス工場をご案内しています。
これにより、どこに住んでいても福祉車両のメンテナンスを受けることができ、安心して車両を使用することができます。
当店でご購入のお客様の声
福祉車両専門店ヤマシタオートを利用したお客様からは、「リフトの修理が迅速で助かった」「代車が用意されていて安心」などの声が寄せられています。
また、当社は一般社団法人日本福祉車両協会の認定工場で、介護福祉士や福祉車両取扱士などの有資格者がおり、福祉車両の取り扱いに関しては、技術・知識・経験ともに豊富です。「福祉装置の点検整備がしっかりしているので、安心して利用できる」といった評価も多く、専門店のサービスに満足しているお客様が多いです。
福祉車両の車検は、福祉車両専門店がオススメ
福祉車両の車検は一般の整備工場でも可能ですが、福祉装置の点検整備を行う専門店を利用することで、安心して車両を使用することができます。専門店での点検整備により、福祉装置の不具合を未然に防ぐことができるため、安心して車両を利用することができます。