高齢者の方や身体に障害がある方にとって、歩きや電車などでの長距離の移動はなかなか辛いものですよね。

 

そんな方が移動するときに自宅から乗っていける車はとても便利です。

 

ですが、車への乗り降りに苦労した経験はありませんか?

 

老化による筋力低下や障害によって身体が動かしにくいと、車の乗り降りは苦労する動作です。

 

そこで今回は、車の乗り降りの際に知っておきたい介助方法をご紹介します。

 

また、簡単に乗り降りできる福祉車両についてもご紹介しているので、最後まで読んで、安全な車の乗り降りの方法を知ってくださいね。

 

1.車の乗り降りは大変

 

若い方や健康な方なら気にしたことはないと思いますが、高齢者や身体に障害がある方にとって車への乗り降りは一苦労です。

 

車のシートは地面よりも高い位置にあるため、乗り込む際に身体を引き上げる必要があります。

 

また、降りる際も安全に車から降りるためには、身体をゆっくりと降ろしていく必要があり、自分の体重を制御しなければなりません。

 

このように、車の乗り降りは高齢者や障害がある方にとっては容易に行える動作ではないということです。

 

では、安全に車に乗り込むためにはどのようにすれば良いのでしょうか?

 

そこで重要となるのが、介助です。

 

 

2.正しい車の乗り降りの介助方法知ることが大切

 

高齢の方や障害がある方にとって、車の乗り降りは一苦労であることをお伝えしました。

 

では、このような方々が車の乗り降りをする場合にはどのようにすれば良いのでしょうか?

 

安全に行うためには、適切な方法で介助してあげましょう。

 

介助とは本人が不十分な点をサポートするものです。

 

車の乗り降りをする際にバランスが崩れそうなら身体を支えたり、身体を引き上げることが難しければ身体を持ち上げたりします。

 

適切に介助することで、安全に車の乗り降りを行うことができるでしょう。

 

ですが、介助する際に注意しなければならないことがあります。

 

それは、適切な介助方法で介助するということです。

 

適切な介助方法を知らないと安全に介助できないばかりか、逆に動きを邪魔してしまい怪我をさせてしまう可能性があります。

 

そのため、適切な介助方法を知っておくことが、車の乗り降りの介助をする上でとても重要です。

 

では次に、身体能力ごとの適切な介助方法をご紹介します。

 

3.車への移乗方法

 

車の乗り降りを介助する際には、適切な介助方法を知っておくことが重要だとお伝えしました。

 

ここでは、身体能力ごとの適切な介助方法をご紹介していきます。

 

ご紹介する身体能力と介助方法は次の通りです。

 

  1. 杖歩行の方
  2. 車椅子半介助の方
  3. 車椅子全介助の方

 

それぞれの介助方法をみていきましょう。

 

(1)杖歩行の方

 

  • 車に乗る時

 

  1. 介助者は本人の側方に位置し、バランスが崩れてもすぐに支えられるように常に身体に触れておきます。
  2. 介助者がドアを開いたら、本人は体の向きを変えてお尻を車の座面に乗せます。
  3. しっかりと車の座面にお尻を乗せたら、車に近い足から乗せていきます。
  4. 身体の向きを整えて、安全に座れているか確認します。

 

  • 車から降りる時

 

  1. 介助者がドアを開けたら、ドアに近い足を降ろします。
  2. 介助者は外から本人の両脇の下に手を入れ、身体を支えながらサポートします。
  3. 車から降りる際は、膝が崩れないように注意しながら降りていきます。
  4. 車から降りて、完全にバランスを整えるまで確認してから離れます。

(2)車椅子半介助の方

 

  • 車に乗る時

 

  1. 車のドアを開き、車と車椅子の間に介助者が入れるスペースを確保して、車椅子を約30度の角度でなるべく車に近づけます。
  2. 足を動かすとき、邪魔にならないように車椅子のフットプレートを開くか外します。
  3. 立ち上がりやすいようにお尻を前に移動させ、浅く座ります。
  4. 介助者は前方から両方の脇の下に手を差し込み、身体を支えながら一緒に立ち上がります。
  5. 完全に立ち上がったら身体を支えたまま、お尻を車の座面の方に方向転換します。
  6. お尻が車の座面に向いたら、介助者は身体を支えながら、本人はゆっくりと座面に座ります。
  7. しっかりと車の座面にお尻を乗せたら、車に近い足から乗せていきます。
  8. 身体の向きを整えて、安全に座れているか確認します。

 

  • 車から降りる時

 

  1. 介助者がドアを開け、車と車椅子の間に介助者が入れるスペースを確保して、車椅子を約30度の角度でなるべく車に近づけます。
  2. セッティングが完了したら、本人はドアの方へ身体を向けます。
  3. 立ち上がりやすいようにお尻を前に移動させ、浅く座ります。
  4. 介助者は前方から両方の脇の下に手を差し込み、身体を支えながら一緒に立ち上がります。
  5. 完全に立ち上がったら身体を支えたまま、お尻を車椅子の座面の方に方向転換します。
  6. お尻が車椅子の座面に向いたら、介助車は身体を支えながら、本人はゆっくりと座面に座ります。
  7. しっかりと車椅子にお尻を乗せたら、お尻を奥までずらして座ります。
  8. 安全に座れていることを確認してから離れます。

(3)車椅子全介助の方

 

  • 車に乗る時

 

  1. 車のドアを開き、車と車椅子の間に介助者が入れるスペースを確保して、車椅子を約30度の角度でなるべく車に近づけます。
  2. 足を動かすとき、邪魔にならないように車椅子のフットプレートを開くか外します。
  3. 立ち上がりやすいようにお尻を前に移動させ、浅く座ります。
  4. 車に近い方の足を一歩前方にずらします。
  5. 身体を密着させて介助者は前方から本人の腰に手を回し、本人は介助者の背中に手を回します。
  6. お互いに身体を支えたら一緒に立ち上がります。
  7. 立ち姿勢が安定したら、足を軸にくるりとお尻を車の方向へ向けます。
  8. お尻が車の座面に向いたら、介助者はゆっくりと腰を降ろし、本人は車の座面に腰掛けていきます。
  9. しっかりと車の座面にお尻を乗せたら、車に近い足から乗せていきます。
  10. 身体の向きを整えて、安全に座れているか確認します。

 

  • 車から降りる時

 

  1. 介助者がドアを開け、車と車椅子の間に介助者が入れるスペースを確保して、車椅子を約30度の角度でなるべく車に近づけます。
  2. セッティングが完了したら、本人はドアの方へ身体を向けます。
  3. 立ち上がりやすいようにお尻を前に移動させ、浅く座ります。
  4. 車椅子に近い方の足を一歩前方にずらします。
  5. 身体を密着させて介助者は前方から本人の腰に手を回し、本人は介助者の背中に手を回します。
  6. 介助者は腰を降ろし、本人は前にかがみながら、身体を車の外に移動します。
  7. 身体が車から出たら、一緒に立ち上がります。
  8. 立ち姿勢が安定したら、足を軸にくるりとお尻を車椅子の方向へ向けます。
  9. お尻が車椅子の座面に向いたら、介助者はゆっくりと腰を降ろし、本人は車椅子の座面に腰掛けていきます。
  10. しっかりと車椅子にお尻を乗せたら、お尻を奥までずらして座ります。
  11. 安全に座れていることを確認してから離れます。

 

以上が、車の乗り降りの際の介助方法です。

 

介助量の増加に応じて、介助方法が複雑化していることがわかるかと思います。

 

また、実際にやってみるとなかなか上手くできない場面もあることでしょう。

 

上手に介助するためには、繰り返し練習することをおすすめします。

 

このように介助方法を知っていても、車の乗り降りの介助はなかなか難しいものです。

 

そこで次に、車の乗り降りを簡単にしてくれる福祉車両についてご紹介します。

 

4.移乗しやすい福祉車両がおすすめ!

 

車の乗り降りの介助方法についてお伝えしましたが、手順を覚えて完璧に行えるようにするのはとても大変です。

 

そこで、移乗しやすい機能が搭載された福祉車両をおすすめします。

 

福祉車両には車の乗り降りがしやすいような機能や車椅子のまま乗り込める機能が搭載されているため、介助技術がなくても安全に乗り降り可能です。

 

福祉車両に搭載されている機能には、次のような機能があります。

 

(1)車椅子スロープ

 

車椅子に乗ったまま、乗り降りすることができるように車両にスロープ(傾斜)が取り付けられています。

 

(2)車椅子リフト

 

車椅子に乗ったまま、乗り降りすることができるようにリフト(昇降機)が取り付けられています。機械の力で乗り降りできるため、容易に乗り降り可能です。

 

(3)回転シート

 

車のシートが車外に回転するため、簡単に乗り降りすることができるサポート機能です。

 

(4)リフトアップシート

 

車のシートが車外に回転し、リフト機能によってシートが昇降します。地面からの高さが低くなるため、乗り降りが簡単になります。

 

(5)電動ステップ

 

高い車への乗り降りも簡単にできるように、地面と車の間にステップ(踏み台)が出現します。

 

このように福祉車両にはさまざまな機能が搭載されています。

 

身体状況に合わせて、適切な福祉車両を選択することで本人も介助者も、楽に安全に車の乗り降りができるでしょう。

 

まとめ

 

車は高齢の方や身体に障害がある方も、安全に遠くへ連れて行ってくれる非常に便利なものです。

 

しかし、通常の車の乗り降りはとても苦労します。

 

介助者によって適切に介助ができれば、安全に乗り降りすることも可能ですが、適切な介助方法を習得するには知識と練習が必要です。

 

そのため、誰でも安全に車の乗り降りができる福祉車両をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

 

安全に車に乗り降りして、外出を楽しんでくださいね。

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